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第16回空調設備雑学講座

皆さんこんにちは!
合同会社柏井商会、更新担当の中西です。

 

~空調設備業のしごとってどんな感じ?‍♂️~

 

「空調設備業」と聞くと、

  • エアコンを取り付ける人?

  • ビルの機械室にいる人?

  • 専門的で大変そう…

そんなイメージを持たれている方も多いかもしれません。

このブログでは、
“現場で働く人”の視点から、

  • 空調設備業の1日の流れ

  • 仕事のリアル(大変さとおもしろさ)

  • これからの時代に求められる空調の役割

を、少しくだけた感じでお話してみたいと思います


1. 空調設備業って、具体的にどんな仕事?️

一言でいうと、

「いろんな建物の“空気の環境”をつくって、守る仕事」

です。

主なフィールドはこんな場所

  • オフィスビル

  • 商業施設・店舗

  • 工場・倉庫

  • 病院・福祉施設

  • 学校・公共施設

  • 一般住宅

そこで行う仕事は、大きく分けて

  1. 新築・リニューアル時の空調設備工事
     → 配管・ダクト・室内機・室外機の設置、試運転など

  2. 既存設備のメンテナンス・修理
     → 点検・洗浄・部品交換・ガス補充・故障対応など

  3. 省エネ提案・リニューアル計画
     → 老朽化した空調の入れ替え、運用見直しのアドバイス

私たちの仕事は、
**「壁や天井の向こう側の世界」**がメインです

普段お客様が目にするのは、
天井の吹き出し口や家庭用エアコンの室内機くらいかもしれませんが、
その裏側にはたくさんの配管・配線・機械がつながっています。

そこを設計通りにきちんと組み上げ、
ベストな状態で動くように整えるのが、空調設備業の役目です️


2. 空調設備技術者の“とある1日”⏰

※現場やシーズンによって違いますが、
ここでは「テナント改装+メンテナンス」の一日をイメージしてみます。

8:00 現場集合・朝礼

  • 安全確認(ヘルメット・安全帯・工具のチェック)

  • その日の作業内容を共有

  • 他業種(電気・内装・設備)との段取り確認

空調工事は、
電気・内装・建築・設備などと密接に絡む仕事
他業種とのチームワークがとても大事です

8:30 室内機・配管の施工開始

例えばテナントの改装現場では

  • 天井裏で銅管(冷媒配管)を通す

  • ドレン配管(結露水を流す管)を勾配をつけて固定

  • 天井カセット形室内機を吊り込む

天井裏は、
配管・配線・ダクト・梁が入り乱れている“立体パズル”状態

その中で、

  • 施工図面どおりに納める

  • ほかの設備とぶつからないようにする

  • きちんと点検や将来のメンテナンスができるスペースを確保

ということを意識しながら作業します。

身体はもちろん使いますが、
実は**“空間把握力”と“段取り力”がかなり重要な仕事**です

10:30 小休憩&次の工程確認

現場の進み具合を見ながら、

  • 配管の圧力試験のタイミング

  • 電源工事との取り合い

  • 内装仕上げとの順番

などを打ち合わせ。

「ここを先にやらないと、あとから天井が張れない」
「この配管ルートだと点検口から手が届かない」

など、
**“少し先のことまで想像する力”**が求められます。

12:00 昼休み

現場近くの定食屋さんでランチ、
コンビニで買って車の中で食べる、などスタイルはさまざま。

同業同士でしゃべっていると、

  • 「この前の現場、こんな納まりで大変だったよ〜」

  • 「あそこのビル、空調のルートがすごかった」

など、“職人あるある話”が止まりません

13:00 午後:試運転・メンテ現場へ移動

午前中の工事現場から移動し、
午後は既存ビルの空調点検へ、という日もあります。

  • フィルター清掃

  • 熱交換器の汚れチェック

  • 電気系統の点検

  • 温度・風量・圧力の測定

お客様から

「最近エアコンの効きが悪い気がして…」

と相談されたときは、

  • ガス量

  • フィルターや熱交換器の汚れ

  • 室外機周辺の環境

  • 設定や使い方

などをトータルで確認します

症状を聞きながら原因を絞り込んでいくので、
“機械のお医者さん”に近い感覚です

16:30 片付け・日報作成・翌日の準備

  • 使用した工具・材料の片付け

  • 作業内容・気づいた点を日報に記録

  • 必要な部材の手配

「見えなくなる部分だからこそ、丁寧にやる」
これが、空調設備の現場で一番大事にしていることです


3. この仕事の「大変なところ」正直に

どんな仕事にも大変な面はありますが、
空調設備業ならではのポイントを挙げてみます。

‍♂️ 天井裏・屋上・狭いところ

  • 天井裏での作業は、かがんだ姿勢が続くことも

  • 屋上の室外機まわりは、夏場はかなりの高温

  • 機械室や点検口内など、狭いところでの作業も多い

体力的な慣れは必要ですが、
最近は作業環境を良くするための機材や休憩の取り方も工夫されています。

夏は繁忙期

  • 真夏の故障対応は、時間との戦い

  • 「お店が営業できない」「オフィスが仕事にならない」といった状況も

そんなときこそ、
落ち着いて原因を切り分けていく冷静さが求められます。

「ありがとう、これで明日から安心して営業できるよ」
と言われると、疲れも吹き飛びます

覚えることが多い

  • 冷媒の知識

  • 電気の基礎

  • 各メーカーごとの機種特性

  • 法令・安全基準

など、勉強することもたくさんあります。

でも、
“目の前のお客様の困りごと”に直結する知識ばかりなので、
学んだ分だけ現場で即役立ちます


4. それでも続けたくなる「やりがい」と「おもしろさ」✨

ダイレクトに感謝の声が返ってくる

  • 「エアコンが効くようになって本当に助かりました」

  • 「前より空間が快適になって、お客様の滞在時間が伸びました」

  • 「工場の作業者からも“前より楽になった”って言われたよ」

といった言葉をもらえると、

「自分の仕事が、人の働きやすさ・暮らしやすさにつながっている」

と実感できます

現場ごとに“正解が違うパズル”

空調設備の面白いところは、
**「同じ現場がひとつとしてない」**こと。

  • 建物の形

  • 用途(事務所/店舗/工場/医療施設 etc.)

  • 既存設備の状況

  • 予算・工期

これらが毎回違うので、

「この条件なら、こういうルートで配管しよう」
「ここは将来のメンテを考えて点検口を増やしておこう」

と、パズルを解くように考えます

図面どおりにいかないことも多いですが(笑)、
そこを現場の工夫で乗り越えていくのが、
この仕事の醍醐味でもあります✨


5. これからの空調設備業は“環境+健康+デジタル”の仕事へ

空調設備の世界も、
ここ数年で大きく変わり始めています。

地球温暖化対策・省エネ

  • 省エネ性能の高いインバータ機の普及

  • 冷媒の転換(環境負荷の小さいガスへ)

  • ビル全体のエネルギーマネジメントとの連携

空調は建物のエネルギー消費のかなりの割合を占めるため、
環境対策の“主役”の一つでもあります。

室内環境・健康への関心アップ

  • 換気の重要性

  • PM2.5・花粉・ウイルス対策

  • 温度・湿度・CO₂濃度の見える化

「ただ涼しい/暖かい」だけでなく、
“健康に過ごせる空気”をつくる役割も、
空調設備業に求められています。

デジタル技術との融合

  • スマートリモコン・遠隔監視

  • タブレットでの図面・マニュアル閲覧

  • AIによる運転制御・予知保全

昔ながらの“職人技”と、
新しいデジタル技術を組み合わせることで、
もっと快適で無駄のない空調システムが実現できるようになってきました


6. 空調設備業に向いているのは、こんな人

  • 体を動かすのが嫌いじゃない人

  • 手を動かして形に残る仕事がしたい人

  • コツコツ作業も、ちょっとした工夫も好きな人

  • 機械いじりやDIYが好きな人

  • 「ありがとう」にやりがいを感じる人

最初は未経験でも、
先輩について現場を回りながら、
“現場で学ぶ”のがこの業界のスタンダードです。

資格もたくさんありますが、
それも一つずつステップアップしていけばOKです


7. まとめ:空調設備業は“空気をデザインする仕事”️

  • 空調設備業は、建物の「空気環境」をつくって守る仕事

  • 現場は大変なこともあるけれど、感謝の言葉や達成感が大きい

  • 環境・健康・デジタルの観点から、これからますます重要になる分野

  • 「技術職×サービス業×インフラ」を合わせたような、やりがいのある仕事

普段、何気なく過ごしているオフィスやお店、家の中の“空気”も、
その裏側ではたくさんの空調設備と、
それを支える技術者たちの仕事によって守られています。

もしこの記事を読んで、

  • 「空調のこと、ちょっと真剣に見直してみようかな」

  • 「空調設備業って意外と面白そう」

と感じていただけたら、とても嬉しいです

私たちはこれからも、
**目に見えないけれど、確かにそこにある“快適な空気”**を届けるために、
現場で汗を流していきます❄️️✨

 

 


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第15回空調設備雑学講座

皆さんこんにちは!
合同会社柏井商会、更新担当の中西です。

 

~“快適&省エネ”~

 

 

「エアコン=とりあえず涼しく(暖かく)なればOK」と思っていませんか?

実は、空調設備は
「温度」だけでなく「湿度」「風向き」「空気の質」「電気代」
までトータルでコントロールする、とても奥の深い世界なんです🌍

  • 事務所の空調が効かなくて、夏場は毎日ぐったり…🥵

  • 店舗のお客様から「寒い」「暑い」と言われてしまう💦

  • 電気代が年々上がっている気がするけれど、どこから手をつけていいか分からない

  • 家のエアコン、つけているのに何だかムラがある🤔

こんなお悩みを抱えているオーナー様・ご家庭の方に向けて、
今日は空調設備業の立場から、「快適&省エネ」を両立する空調づくりの考え方を、できるだけ分かりやすくお話ししてみます❗


1. 空調は「つけた瞬間」よりも「1年通して」が勝負🏠⚙️

エアコンや業務用空調を新しくするとき、
どうしても「イニシャルコスト(本体+工事費)」に目が行きがちです。

でも、空調は一度つけたら
10年、15年と毎日動き続ける設備

本当に見るべきなのは👇

  • 1年間でどれくらい電気代がかかるか(ランニングコスト)

  • メンテナンスのしやすさ

  • フィルター清掃など“日常管理”がやりやすいか

  • 将来のレイアウト変更にも対応しやすいか

など、**“使い続ける視点”**なんです👀

同じような能力のエアコンでも、
選び方や設置方法が違うだけで、

10年後の電気代が数十万円単位で変わる

ということも、珍しくありません💦


2. 「とりあえず大きめ」は危険!?容量選定の落とし穴⚠️

「広さに対して少し大きめの能力を選んでおけば安心でしょ?」
そんなふうに思われがちですが、
実はオーバースペックも問題ありなんです。

大きすぎる空調機のデメリット

  • すぐに設定温度に達して、止まったり動いたりを繰り返す

  • 結果として効率が下がり、電気代がかさむ

  • 室内の温度ムラが出やすくなる

  • 湿度のコントロールがうまくいかない(ジメジメしたまま or カラカラになりすぎ)

逆に、小さすぎると👇

  • いつまでたっても涼しく/暖かくならない

  • 常にフルパワー運転で電気代が跳ね上がる

つまり、
「ちょうどいい容量」を選ぶことが、快適さと省エネの第一歩なんです💡

容量を決めるときに大事なポイント

単純な「床面積」だけでなく、

  • 天井の高さ

  • 窓の大きさ・方角・ガラスの種類

  • 人の数(事務所・店舗など)

  • 発熱する機器(調理設備・コピー機・PCなど)の量

  • 換気の条件

といった要素をすべて見て、総合的に判断します📝

「ネットの簡易計算で出した畳数」だけで決めてしまうと、
現場での実情と合わず、後悔するケースも少なくありません💦


3. “風の当たり方”で、同じ温度でも体感が変わる🌬️

空調で意外と見落とされがちなのが、
**「どこから風が出て、どこに当たっているか」**です。

  • デスクの一部の人だけが「寒すぎる」と感じる

  • 客席の一部だけが「暑い」とクレームになる

  • 工場で、同じラインでもエリアによって作業者の汗の量が違う

これらの多くは、
吹き出し位置・風向き・風量バランスを調整することで改善できます👍

よくあるNGパターン

  • 吊り形エアコンの風が、直接人に当たっている

  • 出入口の近くにだけ冷気/暖気が溜まっている

  • 高天井なのに、下の人が寒い/暑いと感じる

こうしたときは👇

  • ルーバー(風向き)の角度調整

  • 吹き出し口の位置変更

  • サーキュレーター・撹拌ファンの追加

などで“空気の流れ”を整えていきます🌪️

同じ28℃でも、「風が当たる28℃」と「空気がよどんだ28℃」は別物。
体感温度をうまくコントロールすることが、快適性アップのカギです🔑


4. 換気と空調はセットで考える時代🌬️+❄️

ここ数年、特に注目されているのが「換気」です。
空調と換気は別物のようでいて、実は密接に関係しています。

換気が不十分だと…

  • CO₂濃度が上がり、頭がボーッとする😵

  • ニオイがこもる

  • ウイルスやホコリ、花粉が滞留しやすくなる

一方、換気が多すぎると……

  • 外気温の影響を強く受ける

  • 空調負荷が増えて、電気代がアップ💸

つまり、
**「必要な分だけ換気をしつつ、空調とバランスを取る」**ことが重要なんです。

空調設備業者だからできる換気提案

  • 店舗・事務所の人数に応じた必要換気量の計算

  • 給気口・排気口の位置関係の見直し

  • 熱交換型換気扇の導入(外気取り込み時のロスを減らす)

  • エアコンの能力とのバランスチェック

などを行い、
「空調単体」ではなく「空調+換気+気流」で室内環境を設計していきます✨


5. 電気代を抑えるには「機種」だけじゃなく「使い方」も大事💡

省エネ型のエアコンに入れ替えるだけでも、
電気代を抑えられることは多いです。

でも実は、
**「ちょっとした使い方の工夫」**で、
さらに電気代を下げることができます👇

すぐできる省エネのコツ

  • フィルターの清掃をこまめに(目安は2〜4週間に1回)🧹

  • 室外機まわりの荷物・雑草をどかして風通しを確保

  • 冷やしすぎ・暖めすぎを避け、1〜2℃設定を見直す

  • タイマー・スケジュール機能の活用(つけっぱなしと切りすぎのバランス)

  • 不要な時間帯の運転を自動制御する

業務用空調では、

  • 外気温に応じて自動で負荷を調整する制御

  • センサー連動で、人がいないゾーンの風量を下げる

といった**「制御の工夫」**も効果的です📊

「電気代が高い=エアコンが悪い」と決めつける前に、
“設計・機種・使い方・メンテナンス”をトータルで見直すことが大切です😊


6. 定期メンテナンスは“コスト”ではなく“投資”🔧✨

「壊れたら呼ぶから、普段は何もしなくていい」
と思われがちな空調設備ですが、
実はこれが一番お金のかかる使い方かもしれません💦

定期メンテナンスで防げること

  • 熱交換器の目詰まり → 能力低下 → 電気代アップ

  • ドレン詰まり → 水漏れ → 天井や内装の被害

  • 部品劣化の見逃し → 繁忙期の突然の故障

  • コンプレッサーへの負荷増大 → 高額修理・本体交換

“忙しい真夏に限って壊れる”のは、
たいてい「それまでの負荷や汚れがピークに達したタイミング」が重なるからです😢

定期的に👇

  • 洗浄

  • 締め付け確認

  • ガス量や圧力のチェック

  • 異音や振動の確認

をしておけば、
大きな故障を未然に防げる確率がグッと上がります。

ちょっとした点検・部品交換
VS
真夏の緊急対応+売上機会損失+大規模修理

長い目で見れば、
定期メンテナンスは**「安心を買う投資」**と言えるのです😊


7. 空調設備業者を選ぶときのチェックポイント✅

「じゃあ、どんな業者に相談すればいいの?」
という方のために、
空調業者側の目線からポイントをまとめてみます。

① 現地をしっかり見てくれるか👀

  • 図面や面積だけで見積るのではなく、
    室内・室外機の設置スペース・配管ルートをきちんと確認してくれるか

② “価格だけ”の話になっていないか💰

  • 本体価格の安さだけでなく、
    ランニングコストや将来のメンテナンスの話もしてくれるか

③ メンテナンスやアフターの説明があるか🔧

  • 故障時の対応フロー

  • 定期点検の提案

  • 部品供給期間などの情報

を丁寧に伝えてくれるかどうか。

④ 専門用語だけでなく、かみ砕いて説明してくれるか🗣️

「馬力」「冷媒」「静圧」「インバータ」など、
空調には専門用語がたくさん出てきます。

それを、
お客様が判断しやすい言葉で説明する姿勢があるかどうかも大事なポイントです✨


8. まとめ:空調は“空気のインフラ”。だからこそプロに相談を🌈

  • 空調は「買った瞬間」ではなく「使い続ける期間」が勝負

  • 容量選定・風の流れ・換気とのバランスが、快適さと省エネを左右する

  • 日々の使い方と定期メンテナンスで、電気代も故障リスクも減らせる

  • 信頼できる空調設備業者は、「価格」だけでなく「使い方」「将来」まで一緒に考えてくれる

もし今、

  • 「なんとなく空調の効きが悪い」

  • 「電気代が高い気がする」

  • 「そろそろ入れ替え時期かな?」

と感じているなら、
ぜひ一度、空調のプロにご相談ください😊

空気は目に見えませんが、
仕事の生産性・お客様の滞在時間・スタッフの健康・電気代…
あらゆるところに影響を与える“大事なインフラ”です。

私たち空調設備業者は、
そのインフラを「快適」と「省エネ」の両方から支えるパートナーでありたいと思っています❄️🌬️

 


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第14回空調設備雑学講座

皆さんこんにちは!
合同会社柏井商会、更新担当の中西です。

 

空調方式は快適・省エネ・工期・コスト・保守の“5辺形”のなかで最適点を探す作業です。ここでは代表的な個別(ルーム/パッケージ)・セントラル(AHU+チラー/ボイラ)・VRF(可変冷媒流量)の長短と、建物条件別の決め方を“判断フロー”でまとめます。🧭

 

1|各方式の特徴と向き不向き🧠
• 個別(ルーム/パッケージ)
o 🎯強み:導入コスト低・工期短・独立ゾーンの柔軟運転。小規模テナント/改修に最適。
o ⚠️注意:室外機置場・景観・外気処理の弱さ。台数増で保守点数↑。
• VRF(可変冷媒流量)
o 🎯強み:部分負荷効率・同時加熱冷房・細やかなゾーニング。改修でも配管径細く躯体影響小。
o ⚠️注意:冷媒量・漏えい時の安全設計、長距離配管の制約、メーカー専用部材依存。
• セントラル(AHU+チラー/ボイラ)
o 🎯強み:外気処理・大空間・長寿命・拡張性。熱源集約でBEMS最適化が効く。
o ⚠️注意:初期費用と機械室/配管スペース、バランシングと運転要員の熟練度。

 

2|判断フロー(簡易)🧾
1) 用途/規模:1000㎡未満・テナント分割多→VRF/個別を先に検討。1000㎡超・外気多→セントラル軸。
2) 外気負荷:人密度高/CO₂目標厳しめ→専用外気処理機+再熱が必要→セントラル優位。
3) 改修制約:シャフト不足/天井懐薄→VRF。機械室確保可・寿命20年超狙い→チラー。
4) 運用:24/365稼働・冗長要→N+1や多台数分散設計。夜間/休日偏在→個別/VRFの止めやすさが利点。

 

3|コストと省エネの見方💴⚡️
• CAPEX:機器+ダクト/配管+電源+構造。VRFは配管細い分ダクト費↓だが室内機台数が増えると逆転も。
• OPEX:部分負荷効率・清掃/フィルタ・水処理・更新サイクル。チラーは冷却塔/水処理の固定費が乗るが長寿命。
• KPI:kWh/㎡・ピーク電力・外気処理COP・再熱量・メンテ工数。

 

4|外気処理は別腹🍃
どの方式でも外気処理は設計の要。深冷却→再熱を前提に、全熱交換器+外気処理機(DOAS)を分離配置すると、室内側の制御が安定します。

 

5|冗長化・保守・更新♻️
• N+1(熱源/ポンプ/送風機)と多系統化で止めない。フィルタ/ベルト交換・コイル洗浄の作業性を図面で担保。
• 更新時は段階更新(階ごと/系統ごと)ができるレイアウトが◎。

 

6|NG→是正🙅→🙆
• NG:方式を“相場”で決める。→ 是正:外気・用途・改修制約・運用KPIの4項で比較表。
• NG:外気処理を室内機頼み。→ 是正:DOAS分離+再熱で湿度を握る。

 

7|まとめ🌈
方式選定は“建物×運用”の掛け算。外気/規模/改修/運用の4キーでふるいにかけ、冗長化と保守性で最後に決める。次回は熱源機の選び方へ。🔥

 

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第13回空調設備雑学講座

皆さんこんにちは!
合同会社柏井商会、更新担当の中西です。

 

空気線図が“質”なら、負荷計算は“量”。どれだけの冷房・暖房・加湿・除湿が必要なのか——外皮(日射・熱貫流)、内部(人・照明・機器)、換気、浸入外気を足し合わせ、時刻別にプロットしてピークを見極めます。本回は考え方→式→落とし穴→実務の近道の順で整理します。📐

 

1|負荷の構成🧱
• 外皮負荷:窓・壁・屋根・床から出入りする熱。U値とΔT(外気-室内)で概算。窓は日射熱取得係数(η)が支配的。
• 内部負荷:人(顕熱+潜熱)・照明・機器。稼働スケジュールが命。
• 換気負荷:必要外気量に伴う顕熱/潜熱。夏は潜熱、冬は顕熱が重い。
• 浸入外気:隙間風・扉開閉。気密・風圧差・スタック効果に依存。

 

2|窓と日射の“インパクト”☀️
• 同じ室でも方位で負荷は別物。西日は短時間に高ピーク、南は持続、北は拡散光。
• ブラインド/ルーバの遮蔽係数で実効ηを下げると、機器容量を落とせる。室内側遮蔽より外付けが効く。🕶️

 

3|内部発熱のリアル🧑‍🤝‍🧑💻
• 人の顕熱/潜熱は活動で変わる。会議室は潜熱寄り、オフィスはPCと照明で顕熱寄り。
• 待機電力の積み上げを忘れがち。24h機器(サーバ/冷蔵庫)は夜間のベース負荷を作る。

 

4|換気負荷とCO₂📦
• 必要換気量は人員×外気量/人またはCO₂目標値で設定。外気が高温多湿なら全熱交換器や外気処理機を用意。
• 扉の開閉が多い用途(店舗/飲食)は浸入外気が支配的。風除室やエアカーテンで侵入潜熱を削る。

 

5|時間軸で見る⌛️
• ピーク同時性:西面窓と会議室のピークが重なると冷房容量は跳ねる。用途別ピークのズレを作る設計(ゾーニング)が省エネに効く。
• 熱容量:RC造は遅れが大きく、日中ピークを夜間にずらせる。ナイトパージと相性◎。

 

6|概算の“速い式”⚡️
• 外皮顕熱:Σ(U×A)×ΔT
• 日射:A×η×日射強度×遮蔽係数
• 内部:人×(顕熱+潜熱)+照明×W+機器×W
• 換気顕熱:1.2×V×ΔT(V[m³/s])/換気潜熱:0.68×V×ΔX(ΔX[g/kg]) > まずは概算で“効いている要素”を見つけ、詳細計算へ進むのが時短のコツ。⏱️

 

7|落とし穴と是正🕳️→🛠️
• 窓面積を侮る:設計終盤で機器容量が増え、ダクト/配管も太り天井が納まらない。→初期に遮蔽とガラス仕様を確定。
• 人員想定が甘い:オフィスのフリーアドレスで密度が日によって倍。→CO₂制御/VAVで変動対応。
• 換気“増し過ぎ”:感染症対策で常時最大外気→冬の乾燥/ドラフト。→時間帯/CO₂連動+二次加熱。

 

8|チェックリスト✅
☐ 方位・ガラス仕様・遮蔽の組み合わせを検討した
☐ 人・照明・機器のスケジュールを載せた
☐ 換気量はCO₂/用途要件の両面で根拠を持つ
☐ ピーク同時性と遅れを図で説明できる

 

9|まとめ🌈
負荷計算は“どこに効いているか”を見抜く作業。窓・人・換気・時間の4点を押さえれば、過大容量を避けつつ快適を守る道筋が見えます。次回は方式選定(個別/セントラル/VRF/チラー)へ。🧩

 

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前回のガス回収の後半

先日ガス回収をしたので、今回は機器の入替工事です。ブレ-カ-を切って配線・配管等を外して

新しい室外機に交換ですが、作業に夢中で写真を撮るのを忘れたので接続状況です。接続部の冷媒配管フレア・電源線の端子等は新しくします。

で、室内機もカバー外して入替です。同じメーカ-の機器入替は配管やドレン(排水)の位置も同じでかなり時短になります(楽です)

でブレ-カ-上げに行ったら15Aのブレ-カ-がかなり老朽化してたので定格の20Aのブレ-カ-(持ってて良かった)に交換して機械にも安心です

で、室外機も真空引き充分してゲージ戻りなし!(写真なし😢)でガス解放して電源入れて…

室内で涼しい風が出るか排水出てるか確認して完了!エアコン工事はよく安い業者さん選んで施行する方がいるし理解は出来ますが安い=何かの工程を省略してる(ガス回収等)所が多いですから安い所は純粋に気を付けてくださいね。最悪、施工主様が法的に罰せられます。正しい工事を正しい法規通りに行いましょう!

 

第12回空調設備雑学講座

皆さんこんにちは!
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空調は空気の温度と湿度を移動させる仕事。空気線図(サイコロメトリックチャート)は、その移動を“絵”で表します。線図が読めれば、除湿に再熱が要る理由や夏の外気処理の難しさが直感で分かるようになります。ここでは軸と線→状態点→プロセスの順に習得し、最後に設計あるあるをケースで解説します。✍️

 

1|空気線図の“地形”を覚える
• 横軸:乾球温度、縦軸:絶対湿度(g/kgDA)。
• 曲線:相対湿度線、斜線:エンタルピ線、右上へ凸:露点温度線、左上へ緩やか:比容積線。
• 飽和曲線(上端)は露点・湿球・エンタルピが交差する“海岸線”。

 

2|3つの基本プロセス
• 顕熱変化:湿度一定で温度だけ上下(線は水平)。暖房/冷却コイルの“表面温度が露点より高い”とき。
• 潜熱変化:温度ほぼ一定で湿度が上下(線は垂直)。加湿・除湿。
• 混合:2点を結ぶ直線上の比に応じ、中点に移動(外気と還気のミックス)。

 

3|コイル冷却で何が起きている?
• 冷却+除湿は、線図では右上→左下へ斜め。コイル表面温度が露点以下だと結露し、潜熱も処理。
• バイパスファクタ(BF):空気の一部がコイルを素通りする度合い。BFが小さいほど深く冷える/乾く。設計では表面温度・風量・コイル列数で調整。
• 再熱:深冷却で湿度を下げた空気を温度だけ上げ直す操作(左→右へ水平)。夏の過除湿対策に必須。

 

4|外気処理の難しさ
• 外気は温度も湿度も高い(夏)or温度低く乾燥(冬)。顕熱と潜熱の両面を同時にさばく必要があり、全熱交換器(回転/静止)や除湿ロータの選定が効く。
• 顕熱比(SHR):顕熱/(顕熱+潜熱)。人が多い部屋はSHRが小さく、除湿寄りの機器が必要。

 

5|プロセスの描き方✏️
1) 設計外気点・室内設計点を決め、線図にプロット。
2) 混合比(外気率)で還気点と直線混合。
3) コイル出口(露点/表面温度・BF)を仮置きし、再熱の要否を判断。
4) 送風温度から必要風量を試算(Q=1.2×V×ΔT〈概算〉)。
6|ケース:会議室がムワッとする理由
• 人の潜熱(呼気/発汗)が急増。SHR低下→温度は下がるのにRHが60–70%へ。
• 対策:外気処理機で深冷却→再熱、もしくは再熱コイルで湿度側を優先。席数に応じて外気量/CO₂制御を導入。

 

7|「線図が読める」運用⚙️
• 吹出温度を変えると風量がどう変わるか、RHがどこへ動くかを線図で“予見”。
• 結露・カビの予兆(表面温度が露点を下回る)を外皮/ダクトで点検。

 

8|チェックリスト✅
☐ 室内点と外気点を線図に同時表示したか
☐ 混合点とコイル出口を根拠ある数値で置いたか
☐ 再熱の必要性をSHRで説明できるか

 

9|まとめ
空気線図は“空気を設計する紙”。顕熱/潜熱/混合の三角形を使いこなせば、除湿・再熱・外気処理の勘所が一気に見えてきます。次回は負荷計算。線図に載せる“量”を、建物から正しく読み取ります。

 

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久しぶりの廃棄エアコンのガス回収

業務用のパッケ-ジエアコンの入替工事することになり既存のエアコンのガス回収してきました。家庭用のエアコンもそうですが入替工事による冷媒(ガス)の大気開放は法律で禁止されていますので専用の機械とボンベで冷媒を回収していきます。

ゴウゴウ音を立てて冷媒回収作業!って機械がやってくれるので待ってるだけなんですが、どれだけ回収したか判らなくなるので

ウエイトリミッターって体重計のようなもので何キロ冷媒回収したか数字で確認し必要なフロン類回収証明書て書面に記入します

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

で、左の吸入圧のゲージが0からマイナスになればガス回収完了!地球温暖化にも貢献出来ますし何より法令遵守です。無闇にガス撒いてはダメですよ。皆さんで綺麗な空気を次世代まで残しましょうね!

第11回空調設備雑学講座

皆さんこんにちは!
合同会社柏井商会、更新担当の中西です。

 

「涼しい」「寒い」「ムワッとする」——感覚の言葉を設計と運用の言語に翻訳するのが空調の出発点です。最初に押さえるべきは、快適の定義とその測り方。ここではPMV/PPD、作用温度(OT)、気流、湿度、放射、着衣量、代謝量をつなげて、設計→施工→運用の共通言語をつくります。📚

 

1|“快適”を定義する7つの変数🧩
• 気温(Ta):温度計で測る“空気の温度”。
• 放射温度(Tr):壁・窓・天井など周囲表面の平均放射温度。
• 作用温度(OT):TaとTrの加重平均。ドラフト(気流)が小さいとOT≒体感温度。
• 相対湿度(RH):汗の蒸発効率とカビ/ウイルスの生存に影響。
• 気流速度(Va):0.1〜0.3m/sの微風は夏の快適に寄与。過大だとドラフト不快。
• 着衣量(Clo):夏0.5、冬1.0が目安。制服/ドレスコードで変わる。
• 代謝量(Met):座位1.0、軽作業1.2〜1.6。オフィスと厨房では“正解温度”が違う理由。💼🍳

 

2|PMV/PPDで合意形成📈
• PMV(Predicted Mean Vote)は−3(寒い)〜+3(暑い)の平均予測。−0.5〜+0.5に納めるのが一般的。
• PPD(Predicted Percentage of Dissatisfied)は不満率。PMV=0でもPPD=5%は残る——“100%の満足はない”ことを前提に、設計目標を現実的に置くのがプロ。🙆
• 使い方:設計段階でClo/Metの想定を明記→施工後に実測(Ta/Tr/RH/Va)→PMVを逆算し、差異があれば運用で調整(風量/吹出温度/スケジュール)。

 

3|夏と冬の“正解”は違う🌞❄️
• 夏:やや低めのOT+気流0.2〜0.3m/sで蒸発冷却を後押し。湿度50–60%目安。
• 冬:放射の偏り(窓際の冷放射)を減らすのが鍵。足元温度とドラフト抑制が快適のコア。湿度40–50%で喉/静電気対策。

 

4|気流と吹出の“失敗あるある”🌀
• 顔に直撃:吹出口の投射距離とコアンダ効果無視で発生。→天井面沿いに流して拡散。
• 足元が寒い:冬の過大な換気量や過低温度吹出が原因。二次加熱やVAV制御で改善。
• 会議室のムワッ:人が増えると潜熱負荷(湿気)が急上昇。除湿能力の確保や再熱設計が効く。💧

 

5|“感じ”を数値にする測定🧪
• 黒球温度計で放射を含む温熱環境を把握。
• アネモメータで微風速を測定、0.1m/sの差が快適を分けることも。
• データの見せ方:ダッシュボードでPMV/PPD/OT/RH/Vaを可視化。体感アンケートと並べると運用改善の議論が進む。

 

6|“快適=省エネ”にする運用⚡️
• 人に合わせる:在室/予約/CO₂連動で必要な時だけ空調。
• 場所に合わせる:ゾーニング×VAVで使っている場所に風と冷温を集中。
• 時間に合わせる:予冷/予熱とナイトパージの合わせ技。

 

7|チェックリスト✅
☐ 用途別にClo/Metを定義したか
☐ 設計条件のOT/PMVを明記したか
☐ 吹出方向/投射距離/ドラフトの検討図があるか
☐ 実測用のセンサー位置と校正計画を持っているか

 

8|まとめ🌈
“快適”は感覚ではなく設計変数。PMV/PPD/OTを共通言語にし、気流・湿度・放射を丁寧に扱えば、満足度↑×エネルギー↓が両立します。次回はサイコロメトリ(空気線図)で、空気を“描いて動かす”基礎を押さえます。📝

 

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第10回空調設備雑学講座

皆さんこんにちは!
合同会社柏井商会、更新担当の中西です。

 

さて今回は

~省エネ&快適性を底上げ~

“入れて終わり”では、空調の価値は半分。運用・保守・データまで回すと、光熱費は落ちてクレームも沈みます。ここでは今日からできる改善を優先度順に整理しました。


1|まずは“見える化”だけで3割進む

  • 室温/湿度/CO₂/電力/運転モードを1画面に集約

  • 週間グラフで在室ピークとズレを発見(“空き時間の全力運転”を撲滅)

  • アラート:フィルタ差圧↑、ドレン満水、CO₂上振れ


2|換気の賢い運用

  • CO₂連動需要制御換気(DCV):過剰換気↘で省エネ

  • 熱交換換気冷暖房ピーク時に優先投入(外気負荷を抑える)

  • 夜間/早朝:外気が有利ならナイトパージで蓄熱を抜く(夏)


3|温湿度の“心地よさ”を設計する ️

  • :冷房温度を上げても除湿が効けば快適(再熱・送風切替を活用)

  • :過乾燥は不快&静電気→加湿または外気混合率を見直し

  • ドラフト感は最大の敵:風速を抑え、吹出角度を調整


4|スケジュール & ゾーニング ️

  • 営業/執務/倉庫/会議室で独立スケジュール

  • プリクール/プリヒート:開店30分前から“やさしく立ち上げ”

  • 会議室は予約連動で自動オン/オフ(無駄ゼロ)


5|フィルタと熱交換器のメンテ

  • 前置き粗塵→中性能の二段で寿命を延ばす

  • 月次:フィルタ清掃/交換、コイル表面の洗浄&翅曲がり補正

  • 年次:室外機熱交の洗浄、ファン/ベルト/ドレン/断熱補修


6|“簡易診断”で異常の早期発見

  • **ΔT(吸込-吹出)**が基準から外れたら:風量過小/冷媒量/コイル汚れを疑う

  • 消費電力の上振れ:フィルタ詰まり/凝縮器汚れ/外気過多

  • 霜付き:風量不足/サーモ不良/外気条件のミスマッチ


7|厨房/医療/ジム…用途別ミニTips ️

  • 厨房:排気>給気のバランスで負圧過多になりがち→給気増で“扉が重い”を解消

  • 医療/ラボ:ゾーニング換気(清潔→準清潔→汚染)を一方通行

  • ジム/スタジオ:CO₂と湿度に応じて外気と風量を増量、床付近ドラフト注意


8|制御のアップデート

  • 在室/CO₂/外気三位一体制御(温度だけ見ない)

  • 最小風量の底上げ→露点管理が安定(カビ臭/結露を抑制)

  • 段調圧制御でファン電力を削減(風量³に比例して効く)


9|年次計画(OPEXを守る)

  • 季節前整備:夏/冬の切替で点検項目を分ける

  • 予防保全:消耗部品(ファンベルト/PSU/センサー)は時間or状態で交換

  • 法定点検:記録はクラウド台帳で写真添付。監査対応が秒で終わる


10|よくある誤解をリセット ‍♀️→‍♀️

  • “設定温度を下げれば早く冷える” → 立上げ速度は能力×風量。極端な低設定はオーバーシュートの原因

  • “換気を増やせば安心” → 過剰換気は電力↑&湿度不安定CO₂連動が最適解

  • “止めれば省エネ”入り切り頻発はかえって損。間欠/減風/温度ドリフトで柔らかく運転


11|KPI(月次レビュー)

  • kWh/㎡、ピーク電力、CO₂95パーセンタイル

  • ΔT・ファン周波数・外気比率の“散らばり”

  • フィルタ差圧と交換周期、ドレン詰まり件数

  • クレーム件数(暑い/寒い/風/臭い)

 

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第9回空調設備雑学講座

皆さんこんにちは!
合同会社柏井商会、更新担当の中西です。

 

さて今回は

~失敗しない空調新設・更新~

空調は快適性×省エネ×静音×メンテ性の総合設計。ここが揃うと、クレームも光熱費も下がります。この記事では、明日から現場で使える実務の順番チェックリストをまとめました。


1|ヒアリング & 負荷の見立て

  • 用途/在室人数/発熱機器/営業時間を聴取

  • 外皮(方位・窓面積・日射)と換気量の目安を設定

  • 既設更新は既存能力=正解ではない夏/冬のボトルネックを言語化

  • 余裕見込みは**+10〜20%**に留め、過大選定を回避(オーバーシュート→不快/消費増)


2|機器選定の軸

  • 方式

    • VRF/マルチ(ゾーン多・躯体分散に強い)

    • パッケージ(コスパ・施工性◎)

    • AHU+FCU(外気処理や大空間に)

    • GHP/EHP(電力契約・停電リスク・排熱活用で選ぶ)

  • 外気処理:ロスナイ/熱交換換気や外調機で露点設計を意識(湿度コントロールが快適の要)

  • 騒音:室外機の設置方位・反射、室内機は吹出し/吸込みの干渉に注意

  • 保守:フィルタ前面抜き可、ドレン点検口、脚立1本で届くかを基準に


3|ダクト & 配管の勘どころ

  • ダクト:摩擦損失の目安を決め、無理な絞り/急曲を避ける(静圧↑=騒音↑)

  • 吹出/吸込:短絡防止。大空間は循環ファン併用で温度ムラ緩和

  • 冷媒配管:長さ・高低差は機器仕様内に。分岐はメーカー指定部材

  • 断熱:結露要因をゼロ化(継手・支持金具周りの断熱欠損に要注意)

  • ドレン:勾配/通気/点検口。ルーフ越えはドレンアップの可否と保守性を確認


4|電気・制御の設計

  • 系統図に専用回路/容量/遮断器を明記

  • BAS/集中リモコン連携:スケジュール/在室/CO₂で自動運転

  • 室温センサー位置=快適性。直射/吹出直下/機器背面は避ける

  • 非常/停電復帰の動作(自動復帰/手動)を引渡し時に説明


5|施工のポイント(品質が決まる所)

  • 冷媒配管ろう付けは窒素パージ/フレアは規定トルク

  • 真空引きは十分に(含水は機器寿命を縮める)→気密確認を記録

  • 試運転:外気条件をメモし、吸込/吹出温度、圧力、電流、過熱度/過冷却を台帳化

  • ドレン試験:バケツテスト&ストレーナ清掃

  • 騒音/気流:吹出角度・風量バランスを最終調整(ドラフト感を消す)


6|書類 & 引渡し

  • As-built図(ダクト/配管/電気)

  • 機器表(型式・能力・冷媒量・電源)

  • 運転・フィルタ清掃・季節切替の簡易マニュアル

  • 保守契約(年2〜4回)と点検チェックリストの雛形


7|よくある不具合 → 速攻対処 ‍♂️→‍♂️

  • 冷え/暖まりが弱い:フィルタ目詰まり/風量不足→清掃&風量再設定

  • 結露水漏れ:断熱欠損/ドレン勾配不足→部分断熱+勾配修正

  • 騒音:風量過大/ダクト急絞り→風量バランス&ダクト改修

  • 臭い戻り:外気短絡/逆流→吸排気位置見直し&戻り防止対策


8|現場チェックリスト ✅

  • 冷媒配管長/高低差=仕様内

  • 窒素パージ・真空引き・気密記録

  • ドレン勾配/点検口/試験OK

  • 断熱の切れ目ゼロ(金物周り)

  • センサー位置/風量バランス良好

  • 試運転データ保存・引渡し説明完了

 

 

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